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 基本情報


氏名 隅田 陽介
氏名(カナ) スミタ ヨウスケ
氏名(英字) SUMITA YOSUKE
学部・学科 法学部法学科
職名 講師
学位・資格 法学修士
本学での担当科目 刑法・刑事訴訟法
研究内容 【刑事法】
学生時代から、犯罪対策や犯罪者の処遇に関する学問である刑事政策を中心に勉強しています。現在は、アメリカ合衆国における犯罪被害者の支援・救済に関心を持っています。
シラバス(URL) https://csweb.tezukayama-u.ac.jp/syllabus/campus?func=function.syllabus.ex.search&nendo=2017&k_cd=162906
ひとことメッセージ 色々なことに関心を持って、幅広い知識を身につけて下さい。

 研究キーワード

研究キーワード
刑法・刑事訴訟法・刑事政策・被害者学

 研究分野

研究分野
刑事法学

 著書

タイトル 著者 出版社 出版年月 担当区分 担当範囲 概要
『暴力団対策法施行後5年の暴力団対策』 藤本哲也・朴元奎・山口努・小西由浩・伊藤康一郎・隅田陽介・岡本美紀 全国暴力追放運動推進センター 199712 共著 第7章「暴力団排除活動」(127ページ〜252ページ、総ページ126ページ) この中で私は、まず、暴力団排除活動の意義について述べ、次いで、市民社会からの暴力団排除として暴力団組事務所の撤去活動についていくつかの裁判例を中心に検討した。また、各業界からの排除活動として、建設業・金融業等からの暴力団排除の現状について考察した。なお、末尾では、イタリアにおける反マフィア活動についても触れている。
B5:総ページ316ページ。
『ホワイトカラー犯罪の法律学―現代社会における信用ある人々の犯罪』 藤本哲也監訳 シュプリンガー・フェアラーク東京 199905 共訳 第7章「事業体犯罪・悪質商法犯罪・副業犯罪」(285ページ〜330ページ、総ページ46ページ) 朴元奎・岸本基予子・黒澤美絵・伊藤康一郎・宮園久栄・隅田陽介・鮎田実・森村たまき・岡本美紀・山口努・小西由浩共訳。
従来、犯罪学の分野においてホワイトカラー犯罪という場合、企業犯罪や職業犯罪を意味することが多かったが、本章では、“残りのホワイトカラー犯罪”、すなわち、具体的には、事業体犯罪、悪質商法犯罪、副業犯罪を取り上げており、アメリカ合衆国で実際に発生した事件を題材として記述しているところに大きな特徴がある。
B5:総ページ633ページ。
Friedrichs, David O.,Trusted Criminals: White Collar Crime in Contemporary Society. 


 論文

タイトル 著者 単著・共著の別 発行雑誌 発行所 開始ページ 終了ページ 出版年月 掲載種別 概要
「暴力団犯罪に対する刑事政策的対応」 隅田陽介 単著 中央大学大学院図書室所蔵 199203 研究論文 修士論文
本修士論文では、まず、暴力団の定義を法令に基づいて明らかにした上で、その歴史と捜査機関による対策の変遷を明らかにした。そして、立法化について賛否両論の立場から議論されていた、いわゆる暴力団対策法を取り上げ、制定に至るまでの経緯やその概要、特徴等を条文に依拠しながら明らかにした。さらに、イタリアやアメリカ合衆国等諸外国における組織犯罪対策の概要の他、組織犯罪対策として重要な意味を持つマネー・ローンダリングの規制についても言及した。
「暴力団犯罪対策に関する一考察―一連の暴力団対策立法を中心に―」

隅田陽介 単著 『中央大学大学院研究年報 法学研究科篇』 中央大学 22号 133 145 199302 研究論文 近時、暴力団が“経済マフィア”化し、組織の威嚇力を背景にして犯罪を行うようになってきた。しかし、暴力団犯罪取り締まりの基本法である現行刑法では、現在の暴力団を取り締まる場合には限界があると指摘されていた。そこで、平成3年にいわゆる暴力団対策法、麻薬特例法が成立するなど、一連の暴力団対策立法がまとまったところである。本稿は、これらの立法を中心に暴力団犯罪について考察したものである。
「組織犯罪による被害者の保護に関する一考察―わが国とアメリカの立法の比較検討―」 隅田陽介 単著 『中央評論』 中央大学 46巻 1号 111 118 199404 研究論文 本稿は、組織犯罪による被害者の保護に関して、わが国とアメリカの法制度の比較検討を行ったものである。組織犯罪によって被害を受けた者は、裁判において証人として証言するなど、刑事司法手続上重要な立場にある。したがって、組織犯罪による被害者の保護対策を考えることは、組織犯罪対策の一環としても重要な意義を有するものと考えられるのである。
「アメリカ犯罪学の基礎研究(45) マーシャル・サービス(United States Marshals Service)」 隅田陽介 単著 『比較法雑誌』 日本比較法研究所 28巻 3号 149 160 199412 研究論文 マーシャル・サービスというのは、1789年の裁判法によって創設されたものであり、米国における最も古い法執行機関であるとされる。現在では、全米に340の事務所、3000人の職員を抱える大きな組織となっている。本稿は、マーシャル・サービスの活動について、とくに、連邦政府が法律を執行する上で重要な2つの活動、すなわち、逃亡犯罪者令状追跡調査プログラム及び証人保護プログラムについて概観したものである。
「アメリカ合衆国における薬物乱用防止教育―DARE (Drug Abuse Resistance Education)を中心として―」 隅田陽介 単著 『比較法雑誌』 日本比較法研究所 30巻 3号 83 109 199612 研究論文 近年、世界各国で薬物の乱用が問題となっている。わが国でも薬物の供給者に対しては、いくつかの対策が講じられているが、青少年を中心とした需要者に対する予防策としては十分ではないように思われ、また、諸外国における薬物乱用防止策を比較検討することも少なかったように思われる。そこで、本稿は、近時、アメリカ合衆国の小学校で実施されるようになった薬物乱用防止教育であるDAREについて検討したものである。
「組織犯罪からの被害者及び証人の保護対策(一)・(二・完)―アメリカの証人保護プログラムを中心に―」 隅田陽介 単著 『法学新報』 中央大学 103巻 6号、8号 189、109 218、127 1997 研究論文 本稿は、アメリカ合衆国の証人保護プログラムを中心に、組織犯罪による被害者及び証人の保護について考察したものである。そして、組織犯罪対策の一環として考える場合には、①犯罪組織による報復行為から、②そのような報復行為が行われる前に、③生命・身体を保護法益として、これらを守る手段を講じなければならない、といった観点から被害者及び証人を保護していくことを考えていく必要があるのではないか、ということを指摘した。
「南米における薬物犯罪とその対策(1)・(2)」 隅田陽介 単著 『比較法雑誌』 日本比較法研究所 33巻 1号、2号 143、293 182、313 1999 研究論文 近時、欧米ではコカインの使用が大きな問題になっている。欧米で出回っているコカインの多くは南米産であるといわれ、流入に対しては各国で厳しい規制が行われているところであるが、最も効果的なのは、コカインの生産そのものを減少させることであろう。このような観点から、本稿は、コカインの主たる生産国である南米ペルー、コロンビア、ボリビアにおける薬物犯罪の現状、法制度及び対策等について検討したものである。

「アメリカ合衆国におけるVictim Impact Statement (VIS) (1)・(2)」 隅田陽介 単著 『比較法雑誌』 日本比較法研究所 34巻 2号、3号 139、117 165、147 2000 研究論文 このところ、刑事司法の分野においては世界的に犯罪被害者の保護・支援に関心が集まっている。そこで、本稿は、刑事手続における被害者支援として重要な、公判段階における被害者の意見陳述権に焦点を当て、とくにVictim Impact Statementと呼ばれるアメリカ合衆国の制度を中心に検討したものである。刑事手続においては、被害者の意見を斟酌することによって初めて、真に「均衡のとれた」量刑を言い渡すことができるのである。

「スコットランドのVictim Statement試験的運用計画」

隅田陽介 単著 『東京国際大学論叢 経済学部編』 東京国際大学 38号 97 116 200803 研究論文 本稿は、スコットランドで2003年11月から試験的に導入された、被害者が法廷で犯罪によって受けた被害の状況について述べるというVSについて検討したものである。スコットランドの調査研究ではVSは肯定的に評価されているが、同様の制度をやはり試験的に導入したイングランド・ウェールズの調査研究では否定的な評価が下されている。ここでは、両調査を比較検討した上で、被害者が刑事手続に参加することについて、若干の私見を展開した。

「わが国における暴力団対策の近時の動向」 隅田陽介 単著 『東京国際大学論叢 経済学部編』 東京国際大学 40号 55 79 200903 研究論文 近時におけるわが国の暴力団対策としては、これまでのような刑事法的な取り締まりではなく、民事的・行政的な手法による対策が効果をみせている。その一つが、暴力団組長の使用者責任を問う民事訴訟である。また、全国各地の自治体で暴力団員を公営住宅等から締め出す動きもみられる。本稿では、このような刑事法的な手法ではない暴力団対策を「新しい暴力団対策」と位置づけて近時の動向を俯瞰し、今後の課題として、情報収集の重要性を指摘した。

「アメリカ合衆国アラスカ州の被害者の権利擁護室」

隅田陽介 単著 『東京国際大学論叢 経済学部編』 東京国際大学 41号 45 64 200909 研究論文 アメリカ合衆国アラスカ州では、近時、「犯罪被害者の権利擁護室(Office of Victims’ Rights : OVR)」と呼ばれる被害者支援の専門部署が州議会に設置され、活動を開始している。OVRの場合、州議会の機関として設置されたところに特徴があり、刑事司法機関とのやり取りの中で生じた二次被害の問題に対処することを念頭に置いている。本稿は、OVRの概要・仕組み等を検証し、さらには、同州憲法上の被害者の権利が初めて裁判で争われたクーパー判決について検討したものである。

「犯罪被害者の権利の保障と救済に関する一考察」 隅田陽介 単著 『東京国際大学論叢 経済学部編』 東京国際大学 42号 149 176 201003 研究論文 本稿は、通知を受ける権利や意見を聴取される権利等被害者の権利に関するアメリカ合衆国の各州における若干の裁判例に触れた上で、いくつかの州で展開されている被害者の権利の救済策について検討したものである。ここでは、とくにミネソタ州やコロラド州等で展開されているオンブズマン制度を中心に検討した。こうして被害者の権利の侵害に対する救済措置を講ずることが被害者の法的地位の充実・強化、真の平等な地位に確立につながるのではないかと思われる。
「アメリカ合衆国及びカナダにおける犯罪被害者の権利保障制度」

隅田陽介 単著 『東京国際大学論叢 経済学部編』 東京国際大学 43号 111 141 201009 研究論文 アメリカ合衆国では2004年に犯罪被害者権利法(CVRA)が成立した。本稿は、合衆国政府監査院による調査報告書を基にしてCVRAの運用状況や施行後に判明したいくつかの問題点について検討したものである。また、後半では、カナダで同時期に設立されたオンブズマン制度についても言及した。CVRAについては、憲法で保障された被告人の権利を侵害することにつながるといった見方もあるが、そうではなく、被告人の権利とのバランスを図ることに主眼があることに注意しなければならない。
「Victim Impact Statementをめぐる近時のアメリカ合衆国の状況」

隅田陽介 単著 『東京国際大学論叢 経済学部編』 東京国際大学 44号 163 189 201103 研究論文 被害者が刑事手続において意見陳述を行うVictim Impact Statement(VIS)がこのところ英米法系の法域を中心に導入されている。アメリカ合衆国では、近時、新たに、これまでのVISとは異なった、BGMを伴ったVIS が利用されるようになったということである。さらに、これを受けて、被告人側からは、Execution Impact Statementと呼ばれるものも提出されるようになっている。本稿では、こうした状況を踏まえた上で、今後、VISはどのように適用されるべきかをその課題と展望について検討した。

「刑事手続におけるVictim Impact Statementに関する一考察」 隅田陽介 単著 『法学新報』 中央大学 117巻 7号・8号 493 545 201103 研究論文 本稿では、まず前半において、近時Victim Impact Statement(VIS)が導入されたスコットランドの状況について審議段階での議論の様子も含めて検討した。次に、後半では、VISについてはスコットランドよりも長い歴史を持つアメリカ合衆国の動向に触れた後、これまで余り触れられることがなかったと思われる仮釈放段階のVISに焦点を当てて検討した。
「刑事裁判に係る被害者の権利に関する一考察」 隅田陽介 単著 『東京国際大学論叢 経済学部編』 東京国際大学 45号 85 114 201109 研究論文 被害者の権利には、尊厳をもって処遇される権利等いくつかのものがあるが、それぞれの権利が刑事手続のどの段階で機能するのかを念頭に置きながら、それぞれの権利が持つ特性に応じて検討することが重要であると考えられる。本稿では、とくに刑事裁判に係る権利として、①検察官と協議する権利、②法廷に出席する権利、③迅速に事件を処理される権利という3つを取り上げ、合衆国の連邦法及び州法、裁判例等を参考にしながら若干の検討を行った。
「刑事裁判と傍聴人としての被害者」

隅田陽介 単著 『東京国際大学論叢 経済学部編』 東京国際大学 46号 45 70 201203 研究論文 被害者が刑事裁判に出席して、被告人が裁かれる姿を自分の目で確かめたいと思うのは当然のことである。しかし、一方で、被告人に対しては公正な裁判を受ける権利が保障されていることから、被害者には、傍聴人という立場ではあっても法廷への出席・傍聴が無条件に認められるのかという問題が提起されている。本稿は、近時、アメリカ合衆国で下されたカーレイ判決を参考にしながら、被害者が法廷に出席することについて、被告人の権利との関係も含めて検討したものである。
「死刑事件における被害者の意見表明と刑事手続」 隅田陽介 単著 『東京国際大学論叢 経済学部編』 東京国際大学 47号 49 75 201209 研究論文 刑事手続への被害者の参加は確実に進んでいるが、一方で、死刑事件の場合には被害者及びその家族の意見は刑事手続に反映されていないのではないかという疑問が提起されている。本稿では、死刑事件の場合に被害者の意見が手続に反映されていない理由として、検察官の裁量の問題を指摘した上で、特に被害者の量刑に関する意見を反映させるための一つの試みとして、アメリカ合衆国テキサス州及びインディアナ州で採用されている、判決宣告後の意見表明制度について検討した。
「犯罪被害者の死刑執行への立会いに関する一考察」 隅田陽介 単著 『東京国際大学論叢 経済学部編』 東京国際大学 48号 49 74 201303 研究論文 アメリカ合衆国では被害者に死刑執行への立会いが認められていることは特徴的である。本稿では、被害者に対する支援・救済という点から執行への立会いについて検討した。まず、現在、執行への立会いを認めている約20州の州法の規定内容を概観し、その後、「残虐かつ異常な刑罰」を禁止した合衆国憲法第8修正等との関係も含めて、若干の検討を行った。そして、執行への立会いはすべての被害者にとって利益となっているわけではないようであり、慎重であるべきではないかということを現時点における結論とした。
「アメリカ合衆国における犯罪被害者の権利の保障」

隅田陽介 単著 『被害者学研究』 日本被害者学会 23号 85 102 201303 研究論文 本稿は、アメリカ合衆国の犯罪被害者権利法(CVRA)を手がかりにして、合衆国における被害者の権利保障の状況について検討したものである。まず、CVRAはどのような犯罪の被害者に対して適用されるべきなのかということである。次に、CVRAで導入された被害者の権利を保障するための施策として、いわゆるオンブズマン制度を取り上げた。そして、結論として、今後は、被害者の権利を実効的に保障するための制度にも関心が寄せられるべきであるということを指摘した。
「アメリカ合衆国の犯罪被害者権利法を巡る近時の議論の状況」

隅田陽介 単著 『東京国際大学論叢 経済学部編』 東京国際大学 49号 49 73 201309 研究論文 本稿は、アメリカ合衆国の犯罪被害者権利法(CVRA)を巡って近時展開されている議論について、主に3つの視点からまとめたものである。まずは、同法は、環境犯罪の被害者にも適用されるのかという問題である。他に、同法が適用されるのは刑事手続のどの段階からか、また、職務執行状の是非を判断する基準についてはどのように考えるべきなのかといったことについても検討した。


「イギリスにおける犯罪被害者の権利の保障」

隅田陽介 単著 『東京国際大学論叢 経済学部編』 東京国際大学 50号 31 53 201403 研究論文 近時、いくつかの国々で、犯罪被害者の権利を保障するためにオンブズマン制度が導入されている。このうち、イギリスの場合はその手続において特徴的なものになっている。すなわち、同国では、被害者がオンブズマンに申立てを行う場合には、下院議員に申立てを付託しなければならないのである(MPフィルター)。これには、同国の政治的な伝統等が少なからず影響を与えているように思われる。本稿では、制度の概要や活動状況等を検証した上で、被害者からの申立てとの関係においてはMPフィルターはそれほどの価値は見出せないのではないかと評価した。
「インターネット時代における児童ポルノの所持と被害弁償(1)(2・完)―アメリカ合衆国の近時の状況及び18 U.S.C. §2259の解釈を中心に―」 隅田陽介 単著 『東京国際大学論叢 経済学部編』、『東京国際大学論叢 人間科学・複合領域研究』(なお、後者は2016年3月公刊。紙媒体での公刊はなく、東京国際大学ホームページよりウェブ上でのみ公開) 東京国際大学 51号、1号 95、57 114、84 201409 研究論文 このところ、各国で児童ポルノの規制に関心が集まっている。その中で、アメリカ合衆国の場合には若干様相が異なっているように見受けられる。合衆国では、児童ポルノは必要的被害弁償(18 U.S.C. §2259 参照)との関連でも議論されているからである。特に、近時増えてきているインターネットを通して児童ポルノが所持される場合には、§2259 を適用できるかどうかはそれほど単純に考えることはできない。実際に、巡回区連邦控訴裁判所の判断においても、被害弁償を命じるものと否定するものとに2分している。本稿では、この点を明らかにした上で、児童ポルノの被害者に対しては必要的に被害弁償を認めるべきであるという議会の意思に鑑みるならば、§2259は限定的に解釈されるべきではないということを指摘した。また、末尾では、補遺として、2014年4月に合衆国最高裁判所から出されたParoline v. United States にも言及している。(2・完)のみ査読有り。
「アメリカ合衆国における児童ポルノ所持の被害者に対する救済(1)(2・完)」 隅田陽介 単著 『比較法雑誌』 日本比較法研究所 49巻 1号、2号 171、165 201、197 2015 研究論文 近時のアメリカ合衆国では、児童ポルノ所持との関係で必要的被害弁償(18 U.S.C. §2259 参照)が注目を集めている。その一つが近接原因の要件の解釈である。そして、もう一つ重要なのが被害弁償額の算出に関わる問題である。本稿(1)では、弁償額の算出方法について検討し、同(2・完)では、被害弁償に代わる施策として一部で主張されている、補償基金(compensation fund)に基づいた被害者に対する救済制度について検討した。なお、2014年4月に合衆国最高裁判所から出されたParoline v. United Statesや、この判決を受けて、議会に提出された「2014年児童ポルノの被害者Amy及びVickyに対する被害者弁償改正法案」についても触れている。
「性的虐待による被害を受けた児童に対する刑事手続上の支援-証言の際のセラピー犬の同伴を中心に-」 隅田 陽介 単著 『帝塚山法学』 帝塚山大学法学会 27号 101 158 201603 研究論文 近時のアメリカ合衆国では、法廷において活躍する犬が注目を集めている。すなわち、児童に対する性的虐待との関連で、法廷において被害児童が証言する際の保護という点から、自らに虐待を加えた被告人を前にして、児童が気持ちを落ち着かせて証言するために犬を活用することはできないかというのである。この点について、2012年のニューヨーク州高位裁判所上訴部によるPeople v. Tohomでは、セラピー犬と呼ばれる、特別な訓練を受けた犬を証人席に同伴することが認められた。本稿は、憲法で保障されている被告人の権利等との関係も含めて、セラピー犬の同伴について検討したものである。そして、セラピー犬を同伴することは必ずしも被告人の権利を侵害するものではなく、一方で、被害児童にとっては大きな意義を持つものであると結論づけた。
「児童に対する性的いたずらと児童ポルノ所持との関係-児童に対する性的いたずらに関する証拠は児童ポルノ所持に関する捜索令状を発付する際の『相当な理由』になるのか?―」 隅田 陽介 単著 『法学新報』 中央大学 123巻 9号・10号 63 86 201703 研究論文 近時のアメリカ合衆国では、児童ポルノの所持が児童に対する性的いたずらに関する捜査との関係で議論されている。すなわち、児童ポルノに関する捜査を進め、これを捜索・押収するとした場合、児童ポルノに向けられた捜索令状が必要となるが、その際、合衆国憲法第4修正に基づいて「相当な理由」が要求される。そこで、児童に対する性的いたずらに関する証拠のみでこの場合の「相当な理由」を構成するのかどうかというのである。この点に関しては、すでにいくつかの巡回区連邦控訴裁判所が判断を示しているのであるが、現時点では未だ統一されていない。そこで、本稿では、現在の合衆国の捜査実務がIllinois v. Gatesに基づいた「諸事情の総合判断」テストによっているのであれば、これを前提とする限り、第8巡回区裁判所のように、前者に関する証拠が後者の捜索を行うための「相当な理由」に該当すると評価することも許されるのではないかということを指摘した。
「捜索令状発付の際における『相当な理由』に関する一考察(1)(2・完)―近時のアメリカ合衆国における児童に対する性的いたずらと児童ポルノ所持との関係を巡る議論を中心に―」
隅田 陽介 単著 『比較法雑誌』 日本比較法研究所 50巻、51巻 4号、1号 103、129 144、162 2017 研究論文 本稿は、以前、『法学新報』において検討したものを基に、アメリカ合衆国を研究対象国として、捜索令状発付の際における「相当な理由」に関して、児童に対する性的いたずらと児童ポルノ所持との関係から再度検討したものである。本稿でも、児童に対する性的いたずらに関する証拠は児童ポルノ所持の容疑で被告人宅を捜索するための「相当な理由」を構成する旨を判示した第8巡回区連邦控訴裁判所の事例等を紹介した後、児童に対する性的いたずらと児童ポルノ所持との関係に関する調査研究について触れた。その上で、再度、現在の合衆国の捜査実務が「諸事情の総合判断」テストによっているのであれば、これを前提とする限り、第8巡回区裁判所のように、前者に関する証拠が後者の捜索を行うための「相当な理由」に該当すると評価することも許されるのではないかということを結論とした。他に、近時提案されている他の考え方について内容を補充している。
「アメリカ合衆国におけるインターネットを利用した児童に対する誘惑行為の規制―18 U.S.C. §2422(b)の『性的活動』は『物理的な意味における個人間の接触』を必要としているのか?―」
隅田 陽介 単著 『帝塚山法学』 帝塚山大学法学会 28号 26 201703 研究論文 近年におけるインターネットの急速な発達や普及に伴って、性犯罪者の活動は大きく様変わりしている。すなわち、インターネットを通して児童と不適切な会話をするなど、違法な形態で児童と接触し、やがては児童虐待に走ることが極めて容易になったのである。アメリカ合衆国の場合、こうした行為に関しては、18 U.S.C. §2422(b)による規制が想定されている。ただし、ここで注意すべきは、同項の「性的活動」という文言の解釈に関して、児童を誘惑する際には、被告人と児童との間で「物理的な意味における個人間の接触」を必要とするかどうか、各巡回区連邦控訴裁判所の判断が分かれているということである。本稿では、「性的活動」という文言の意味や、同項を制定した際の議会の意思等に鑑みると、この文言については、「物理的な意味における個人間の接触」は必要とはされないとした第4巡回区裁判所の解釈の方が妥当といえるのではないかということを指摘した。
「刑事手続における犯罪被害者等及び証人の保護―近時の刑事訴訟法改正を中心に―」 隅田 陽介 単著 『刑事法ジャーナル』 成文堂 54号 46 56 201711 総説・解説(学術雑誌) わが国の刑事訴訟法はこのところ大きな改正が続いている。本稿は、こうした一連の改正について、現在の刑事司法の分野において忘れてはならない視点である、被害者等及び証人の保護(特に氏名や住所等の私的な情報の保護・秘匿)という観点から検討したものである。そして、①公開の法廷における証人等特定事項の秘匿決定及び②証拠開示の際における証人等の氏名及び住居の開示に関する措置等を取り上げている。また、後半では、今回の改正では立法化には至らなかった、起訴状における被害者情報等の秘匿についても言及している。
「インターネットを利用した児童に対する誘惑行為の未遂段階での規制―アメリカ合衆国における18 U.S.C. §2422(b)の解釈を中心に―」 隅田 陽介 単著 『比較法雑誌』 日本比較法研究所 51巻 4号 現在初校段階 現在初校段階 201803 研究論文 このところ多くの国々でインターネットを利用した児童に対する性的誘惑が問題となっている。アメリカ合衆国では、こうした行為は18 U.S.C. §2422(b)によって規制されているのであるが、その際、いくつかの疑問点が指摘されている。すなわち、①未遂処罰規定の適用に関して、児童を装った捜査官がインターネット上で相手方とチャットを行う、いわゆるおとり捜査の場合に、児童が実在している必要があるのか、②同項の未遂として行為者の処罰が可能となるためには、行為者の行為は最低限、どのような段階に至っている必要があるのかなどである。本稿はこうした問題について検討したものである。そして、①に関しては、未遂処罰規定の存在価値等に鑑みると、必ずしも児童が実在している必要はない、②に関しては、「実質的踏み出しテスト」によりつつ、その場合には助長行為基準によって判断すべきであるということを指摘した。

 講演・口頭発表等

タイトル 講演者 単著・共著の別 会議名 開催年月日 主催者 開催地 概要
「刑事手続への被害者の参加―アメリカのVISを中心に」 隅田陽介 単独 日本被害者学会第13回学術大会 200206 日本被害者学会 大阪市立大学 本発表では、アメリカ合衆国のVictim Impact Statement(VIS)について、各州ごとの形態を若干紹介し、VISを違憲と解釈したブース判決及びギャザーズ判決、合憲と解釈したペイン判決という3つの重要な最高裁判決を検討した。そして、このペイン判決後の運用状況について、VISを提出できる被害者の範囲・その数といった視点から類型化して触れた後、応報・抑止・無害化・社会復帰という4つの刑罰の目的から被害者の刑事手続への参加について検討した。

 所属学協会

所属学協会名 年月(自) 年月(至) 年月(至)区分 職名
日本犯罪学会 198905 000000 退会 会員
犯罪と非行に関する全国協議会 198910 000000 退会 会員
日本刑法学会 199005 現在に至る 会員
日本被害者学会 199011 現在に至る 会員
日本刑事政策研究会 199210 現在に至る 会員

 研究に関連する学内外社会活動

活動年月(自) 活動年月(至) 活動年月(至)区分 内容 分類
199704 200103 総務庁青少年対策本部(当時。その後、文部科学省スポーツ・青少年局へ移管)青少年問題ドキュメンテーション協力者
200404 200703 川崎市市民オンブズマン専門調査員
201704 現在に至る 日本被害者学会『被害者学研究』編集委員

 受賞

受賞年月 授与機関 受賞名 概要
199311 日本刑事政策研究会 刑事政策に関する懸賞論文 佳作 本論文は、暴力団犯罪・組織犯罪による被害者の保護対策に関して、わが国の立法とアメリカ合衆国の立法の比較検討を行ったものである。ここでは、特に合衆国の「1970年組織犯罪規制法」に基づく証人保護プログラムを取り上げ、このプログラムでは、犯罪組織による報復行為からの事前の保護に重きが置かれているのではないかとした。一方、わが国においても、いくつかの立法措置は講じられているが、合衆国の法制度と比較すると、必ずしも十分なものとはいえず、今後は、犯罪組織による報復行為から事前に被害者の生命や身体を保護することが重要であるということを指摘した。

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