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2011年11月25日
災害支援ボランティア報告会を開催しました

 

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11月24日、本学学園前キャンパスにおいて、「災害支援ボランティア報告会」(主催:本学心理学部・心理福祉学部ボランティアルーム)を開催しました。

 

この催しは、3月11日に発生した東日本大震災および9月上旬に奈良県・和歌山県等広範囲にわたって甚大な被害をもたらした台風12号について、被災地における学生のボランティア活動や被災体験を直接聞くことで、学生や教職員等大学の構成員それぞれが、今後の災害支援活動への取り組み方や問題点などを考え、共有することを目的に実施しました。【トピックス落合】IMG_6618.JPG

まず、落合副学長の開会挨拶では、奈良県が主催する被災地支援災害ボランティアバスに本学から学生15名が参加した経緯や今回の報告会実施に至るまでの過程を自身が体験した阪神淡路大震災への思いを織り交ぜながら、本会の趣旨、目的を説明しました。

続いて、8月12日出発の同バスにより被災地支援ボランティアに参加した高木良太さん(法学部法学科2年)より活動報告がありました。高木さんは地震発生時には「すごいことが起こったという衝撃を隠せなかった」と語り、「活動を終えてから家族を亡くされた方の思いがいかに悲痛であるかを一層強く感じるようになった。瓦礫(がれき)は撤去されても、残された人々の心のケアを続けていくことが大切である」と現地に行くことで初めて分かったことを伝えました。

また、同じバスに乗った神戸市出身の大下恭平さん(現代生活学部こども学科3年・写真右)および井上航さん(同3年・同左)からは、阪神淡路大震災の被災体験も交えた報告がなされました。大下さんは何かしたいという思いにかられ、本学の新入生歓迎会「あかね祭」において被災地へのメッセージを募る垂れ幕を用意。本会を主催したボランティアルームと相談のうえ、多数寄せられたメッセージを被災地に届けることにしたとのことです。「初日の気仙沼市は360度瓦礫の山で、言葉を失った。現地では物の分別作業を行ったが、泥から出てくる卒業証書や写真をみると、被災者にとってはきわめて大切なものを扱っているのだという思いが強くなった。五感を強く刺激された」と述べました。2日目に訪ねた福島県金山町では神社の土砂除去を行い、かいてもかいても減らない泥の量に自然の驚異を思い知らされると同時に、現地の人の温かい気配りが非常にありがたかったと述べました。そして、この経験を伝えることは重要で、動き出す一歩、行動する勇気が大切であることを痛感した、と熱い思いを伝えました。【トピックス使用こども2人】IMG_6645.JPG
井上さんもテレビと現実の違いを肌で感じたと述べ、「特に港周辺に漂う独特のにおいは、現地に行ってこそ知ることができた。地震から8か月がたち、被災地の今を忘れかけているのではないか。震災を風化させないように、この時期に報告会を行うことは本当に意義がある。3・11に起こったこと、そのときの感じた気持ちを思い出してもらいたい」と語りました。

先の井上さんおよび大下さんらと児童福祉ボランティアサークル「どれみ」にて活動を行っている木村彰宏さん(同3年)は、被災地の支援ニーズと学生のボランティアニーズを結びつける組織「いわてGINGA-NETプロジェクト」からボランティア活動に参加したとのこと。同サークルで制作した被災地の状況やボランティア活動内容を伝える動画を流した後、「大学の保育実習の授業でずっと感じていた子どものストレスや海外で実際に目にした貧しい子どもたちの状況と今回の被災状況がリンクした。支援が届かないところでニーズをつなぐ活動をしたかった」と述べました。また、「現地では仮設住宅におけるコミュニティ形成のサポートをしていたが、自分たちの思いを伝える難しさを実感し、悩みながらのサポートを行う部分もあった。これらの活動を通して、ボランティアとは「寄り添うこと」であると気づいた。まず、知ることが行動のきっかけとなる。さらにボランティアは継続的支援が必要ではないかと語りました。

一方、9月の台風12号による被害について、豪雨のすぐ後に被災地に赴いた的場 唯さん(心理学部心理学科研究生)からは「東日本大震災の状況を自分では理解しているつもりだったが、現地に住む知人たちと再会できたあの喜びは涙なくしては済ますことができず、やはりどこか他人事と思っていたことに気づいた。避難所の訪問を行ったが、現地はかなり深刻な状態であり、報道の裏の部分を知ってほしい」と伝えました。

和歌山県日高川町の自宅で被災した藤田 幸朗さん(心理福祉学部地域福祉学科4年)は、尋常ではない川の流れ方や初めて聞くような音にかなり衝撃を受けたと語りました。「初日は情報が届かず、何もできなかった。翌日以降になってようやく被災者同士で土壁のかきだしなどを行うことができた」と述べ、ボランティアルームのスタッフから、災害時において、地域コミュニティ等における日ごろからの付き合いがいかに大切であるかを気づかされた、と藤田さんの体験について話した際の談話が紹介されました。【トピックス使用杉本】IMG_6684.JPG

最後に、心理学部・心理福祉学部杉本教授より「災害ボランティアとこれからの支援活動について」と題しての総括がありました。「ボランティアは、以前は「してあげる」「してもらう」といった概念で進められていたが、「互いに支えあう」ものになりつつある。今回報告された自然災害は突然起こるものであり、まさに支え合いの精神が大切である」と述べました。ボランティアルームでは、「勇気」「ユーモア」「ゆとり」の3つの「ゆ」の和を広げ、今後もボランティア活動を一層発展させ、このような報告会の場をもっていきたい、と今後の展望について、話しました。

報告を行う高木さん

報告を行う高木さん

ボランティアへの思いを語る木村さん

ボランティアへの思いを語る木村さん

被害の様子を説明する的場さん

被害の様子を説明する的場さん

被災体験を語る藤田さん

被災体験を語る藤田さん