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2021年02月25日

イベント・講座

【学長プロジェクト】「川柳コンテスト」受賞作品発表

 

■IMG_1369.JPG2020年11月21日から12月24日までの1か月間で、帝塚山大学では「コロナとわたし」をテーマとした「川柳コンテスト」を開催し、学生・教職員の皆さんから合計481句の応募がありました。このコンテストは、コロナ禍の今、学生・教職員の皆さんに帝塚山大学の一員としてつながりを感じてもらえる場を作りたいとの学長の思いから実現した「学長プロジェクト」です。

今回、特別審査員として奈良新聞主催の川柳大会で選評委員を務める居谷真理子氏を迎え、審査委員長の蓮花学長をはじめ総勢8名の審査員による厳正な審査を行いました。どの川柳も甲乙つけがたく当初の予定より受賞作品数を増やし、最終的に、グランプリ1句、特選2句、入選6句、審査員特別賞と学長賞が各1句の合計11句が選ばれましたので各審査員の講評とともに発表します。なお、表彰式は3月中旬に行う予定です。 沢山のご応募ありがとうございました。

<受賞作品・受賞者>

◇グランプリ(1句)
「画面越し  君との距離が 近づいた」

経済経営学部経済経営学科 鶴岡 芹菜 さん
初々しくしなやかな一句。面と向かうと恥ずかしくてじっと目を見ることもできない。でも画面越しなら大丈夫、しっかりあなたを見て話せます。会えない日が続くけれど以前より仲良くなれたみたい。不自由な状況を自由に生きる―グランプリにふさわしい作品です。おめでとうございます。【居谷氏(特別審査員)コメント】
◇特選(2句)
「朝起きて 行ってくるよと パソコンへ」

現代生活学部食物栄養学科 中島 智貴 さん
「おはよう」と起きて朝ご飯。「行って来ます」と自分の部屋のパソコンの前に。「お世話になります、よろしくお願いします」と挨拶をして立ち上げる。礼儀正しい私です。【居谷氏(特別審査員)コメント】
「夢にまで 課題出てきて 焦る日々」

教育学部こども教育学科 岡本 純果 さん
巣籠りの時間は勉強で埋めろ、と先生方のありがたい思し召し!?でも寝ている間くらいはいい夢を見たいもの。悪夢は美容と健康に悪いです。【居谷氏(特別審査員)コメント】
◇入選(6句)
「ズーム中 おばあ大声 豆ごはん」

現代生活学部居住空間デザイン学科 部谷 美有 さん
「早くおいで、あんたの好きな豆ごはんよ、豆ごはん!」。おばあちゃん、そんな大きな声で呼ばないで。みんなに聞こえちゃうよ。「まめごはん」というあだ名つけられたら、おばあちゃんのせいだからね。【居谷氏(特別審査員)コメント】
「オンライン 機械音痴で 遅刻気味」

現代生活学部こども学科 多田 慶悟 さん
機械に弱いんです。あっちこっちいじっているうちに授業が始まっていました。これもやっぱり遅刻ですよね。あ~あ、心で通じるパソコン作ってくれないかなあ。【居谷氏(特別審査員)コメント】
「行動と 心の密は 反比例」

教育学部こども教育学科 西尾 この実 さん
不要不急の外出は控えています。たまに会ってもソーシャルディスタンスを心がけています。でも会えなくなればなるほど、近づけなくなればなるほど、私たちの心は寄り添います。【居谷氏(特別審査員)コメント】
「もう一年 次はコロナが 自粛して」

経済経営学部経済経営学科 藪内 郁名 さん
コロナさん、あなたが猛威をふるいだして一年ばかりたちました。人間は我慢して自粛自粛の日を送っています。お願いです、もうそろそろあなたがおとなしくなる頃ですよ。【居谷氏(特別審査員)コメント】
「世が変わる けれど変わらぬ この想い」

経済学部経済学科 中 正智 さん
「思い」ではなく「想い」の文字を使われたことに意味がありそうですね。コロナを契機に社会のありようも変わると言われています。でもどんな世の中になってもあなたに対する私の想いは変わりませんと、みずみずしく詠まれました。【居谷氏(特別審査員)コメント】
「家を出て マスク忘れて すぐ帰宅」

心理科学研究科 亀田 凌雅 さん
スマホ持って財布持って降りそうなので傘まで持って、家を出ること数百メートル。近所のおばちゃんのマスク姿に、あっ忘れた!!あわてて取りに戻ったけれど、こんな失敗を何度も繰り返します。あなただけではありません。みんなそうです。【居谷氏(特別審査員)コメント】
◇審査員特別賞(1句)
「歯を見せて 笑い合う日は きっと来る」

現代生活学部こども学科 伊藤 優奈 さん
きっと来ます。その日のために歯みがきキチンと続けましょうね。【居谷氏(特別審査員)コメント】
◇学長賞(1句)
「こんなにも 恋しくなるの 唐揚げ丼」

経済経営学部経済経営学科 小林 真弓 さん
学長賞の一句は、学食への愛情を「唐揚げ丼」に代表させた作品で、やや字余りですが、逆に食いしん坊らしい学生のあふれる気持ちとキャンパスライフへの願望が表現されていて好印象でした。【蓮花学長コメント】

<各審査員による全体講評>

【蓮花一己 学長(審査委員長)】 今回の「川柳コンテスト」では、多数の川柳作品を通じて、学生たちの日々の生活での想いを感じることができました。いずれの句も、遠隔でのオンライン授業や大学生活に関する何気ない出来事や不安などを、的確に切り取って一句に仕上げており感心しました。皆さんの瑞々しい感性に改めて敬意を表します。
【居谷真理子氏(外部審査員)】 481句、楽しく読ませていただきました。受賞した作品以外にも魅力的な作品がいっぱいでした。コロナ禍というまがまがしいテーマながら穏やかで健康的な句が多かったように思います。特筆すべきは受けを狙った下品な言葉や、マナーに反する表現が見当たらなかったこと。これは帝塚山大学の学風というものでしょうか。
今回のコンテストを機会に川柳をあなたの趣味の一つに加えて下さったら、とてもとてもとても嬉しいのですが。
【松岡正格 学校法人帝塚山学園常務理事】 DXの旗印のもと、何故か漢詩、俳句、和歌、連歌、川柳などなど、古代から続く日本人の文字を駆使した風流がなんとなく廃れていきつつあると感じるのは、愚生だけでしょうか。そんな時代にコロナの閉塞感が加わった中での川柳コンテストは、皆さんの思いがポロリと吐露され、皆さんの心の裡が伝わる素晴らしい機会となり、愚生にとっても大変喜ばしく、勉強になりました。共感できる句、思わず手を打ちたくなる句、秀作多数であったこと、皆さんの風流さ、感性、創作力に敬服した次第です。「重見天日(ちょうけんてんじつ)」も間もなくです。皆さんの一層の精進を期待しています。
【向井篤弘 副学長】 企画当初、川柳に対しての学生の興味度に不安もありましたが、結果的には多くの応募があり、審査に苦労しました。一次審査(書面審査)にあたって用意された「川柳の手引き」を熟読し、自分なりにそれぞれの川柳を解釈して点数をつけていくのですが、審査ルールで指定された10句を選ぶことは非常に困難でした。年末年始の多くを費やすこととなりましたが、楽しい時間でもありました。学生の率直な想いが表れた優れた川柳が多く、残念ながら選外となった作品の中にも個人的に評価が高いものが多数ありました。
【飛世昭裕 副学長】 今年度のコロナ禍については、皆さんそれぞれの感ずることが多かったことと思います。大学生活での充たされないものを吐露するもの、新しい日常についてのほほえましい一コマを語るもの、「コロナとわたし」というお題にそれぞれの思いがこめられており、楽しませていただきました。最後に一つだけ注文をつけさせていただきますと、一読して何を表現したいのかと考えさせられるものも見受けられ、五・七・五の中に個性やいろいろな思いを描こうとするとき、その表現、例えば言葉の選び方、構成など考えるとさらに訴えかけるものになると感じるものが多くあったことも事実です。応募された皆さんが、さらに日本語の感覚を洗練させてくれることを期待します。
【西尾元伸 文学部日本文化学科准教授】 予想を上まわる量のたくさんの応募があり、嬉しい悲鳴を上げながらの選考となりました。多くの作品に共感し、くすっと笑い、考えさせられ、勇気づけられました。コロナ禍と言われるような状況のなか、家族や友人、恋人を思いやる優しさにあふれた作品が多数あったことは嬉しく思いました。オンライン授業と、膨大な課題とを茶化す言葉は、教員には耳の痛いことです。しかし、あらためて思ったのは、言葉の力によって現実を揶揄諷刺しながら、かえって現実の問題を暴くのは、川柳をはじめとする文学表現が得意とするところであるということでした。事態をこんな風に対象化できる皆さんならば、現在の難しい状況もきっと乗り越えられると確信しました。たいへん意義のあるコンテストであったと思います。
【徳永加代 教育学部こども教育学科准教授】 新しい生活様式が求められる中、授業、家族、友達、身の周りの人の様子や、日常生活からの発見を素直に表現している作品が多く、心の声が聞こえてきました。機器の操作、課題への取り組み、慣れない画面を通した交流など、オンライン授業を取り上げているものは、教員として共感できるものばかりでした。とりわけ、日々様々な戸惑いを感じる中、前向きな気持ちが伝わってくる作品に心が和みました。これからも機会をとらえて表現してほしいと願っています。
【米田準 大学事務局次長】 今回のコンテストには学生の皆さんおよび教職員の皆さんから多数のご応募をいただき誠にありがとうございました。新型コロナウイルス感染症と懸命に戦う皆さんの喜怒哀楽を、五七五の十七文字の川柳で表現していただきました。ご応募いただいた作品は、「そうそう」と共感できるもの、「へえ~」と驚くもの、「そうだったの」と新たな気づきをくれるもの、「なるほど」と納得するものなど、どれも秀作ばかりで審査も楽しく進みました。

選評会の様子はこちらからご覧いただけます。