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2013年05月20日
寺島実郎特別客員教授による特別公開講座を開催しました

 

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5月18日、本学特別客員教授の寺島実郎氏による公開講座「21世紀、日本の進路を考える―世界認識の中で」を奈良・学園前キャンパスの学園講堂で開催しました。寺島特別客員教授は、会場を埋めた一般市民や教職員、学生ら約400人を前に、日本経済の閉塞感を一変させた安倍首相の経済政策「アベノミクス」をテーマに取り上げ、講演を行いました。

 

寺島特別客員教授は、「失われた10年」以降進行した富の分配構造の変化の中にあって「言葉だけでなく、具体的なプロジェクトで成長戦略をしっかり進めなければ、あっという間に終わってしまう」と強調されました。
また、アベノミクスによる円安・株高の実態は、民主党の野田内閣が解散表明した昨年11月16日から半年間の日本株の売買状況を分析すると、外国人投資家依存の株高であり、日本人投資家が日本市場に信頼を置いていないことが判明する。この外国人投資家だけの株高が近い将来どうなるか動向が気になるところである。その上で、企業物価指数(日本企業の取り扱うモノの価格動向)を見ると、この半年間、より深刻な消費低迷にあることが分かる。
もとより、この11年間でサラリーマンの所得が10.5%減り、年収200万円以下の低所得層(フリーター・ニート・失業者など)も急増。ワーキング・プアや生活保護受給者が増えている状況もあるなど、さらに分配の格差が拡大・顕在化している。
その中でのアベノミクスによる株高で、資産家と企業家だけが2重丸とはいえ、その企業家も物価が上がっては儲けを国内で分配することを渋るだろう。その結果、勤労者家庭が取り残されるしかない状況だ。これらが消費が伸びない理由と分析し、安倍政権はこの現実をしっかり踏まえて成長戦略を進めることが大切だ、と説かれました。

この後、対米関係・米中関係について、日本は米に過剰な期待を持つべきでないなど、日本外交のあり方についても述べられました。

聴衆を前に熱弁を振るう寺島特別客員教授