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2015年02月04日|文学部ニュース
【日本文化学科】学外実習─薬師寺・唐招提寺を訪れました─

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1月10日(土)、学外実習で薬師寺・唐招提寺を訪れました。引率は鷺森浩幸教授(古代史)と杉崎貴英准教授(美術史)、4名の学生が参加しました。

 

集合は近鉄「西ノ京」駅。東生駒キャンパスからは、バスと電車で30分あまりという近さです。まずは薬師寺から。駅から歩いてすぐ、北門の受付がありますが、そこから境内を南に突っ切って、中門から見学を始めます。なぜなら、ここが薬師寺伽藍の正面ゲートだから。4月、第1回目の学外実習で訪れた法隆寺を思い出しながら、伽藍配置の違いを学びます。教室での授業で学ぶ基本知識も、現場に立って目で見て納得できるのです。やはり奈良にある大学ならではの利点でしょう。

金堂を見ると、開け放たれた正面中央の扉の奥に、吉祥天女像(国宝)の模写が安置されているのが目に入ってきます。年明けに行われた恒例行事、「修正会吉祥悔過法要」の余韻を感じながら堂内へ。本尊の薬師三尊像(国宝)を見つめながら、やはり教室の授業で学ぶ「薬師寺論争」を思い起こします。

藤原京に創建された薬師寺は、平城遷都にともなって現在地に移転します。その時、本尊も引っ越してきたのか、それとも新たに造られたのか?という問題です。

さらに金堂の裏側にまわって、本尊の台座にあらわされた、縮れ毛の裸形の人物像をみつめます。これも薬師寺の謎の一つです。本学には、この人物像の意味について研究し、やがて論文を発表した卒業生がいます。そのことを話すと、学生たちのまなざしも一段と熱くなりました。

聖観音像(国宝)がある東院堂などを見学したあと、歩いて唐招提寺に移動します。途中、鷺森教授が足をとめて、道ばたの土の盛り上がりに注意をうながしました。薬師寺の北門と、築地塀の痕跡です。あたりには立て札も何もありません。路傍にさりげなく息づく文化財のすごさに気づかされる学生たち。学外実習の醍醐味を感じる瞬間でしょう。

唐招提寺では、奈良時代のままに残る金堂(国宝)から見学します。ほんとうに千本の手があらわされた千手観音像(国宝)の姿には、一同ただただ感嘆。ほかには例をみない安置仏像の組み合わせの意味など、ここでも論点を学びます。

講堂(国宝)は、もともとは平城宮の東朝集殿だった建物。その内部に身を置いて、いまに残った唯一の平城宮の建築の貴重さを実感します。

開山堂では、ガラス越しに鑑真和上像(国宝)の模刻を見学し、そして和上の墓所へ。苦難の末に日本に渡った鑑真和上については、高校の日本史でも学習しますが、やはりこの寺を訪れ、墓所に向き合うと、千数百年前の高僧の存在が強く実感されたようでした。

なお、薬師寺の東塔(国宝)は現在解体修理中で、現場は素屋根ですっぽり覆われていました。完成は平成31年(2019)の予定とか。西ノ京のシンボルタワーがふたたび姿をあらわす頃、今回参加した学生はどんな社会人になっているでしょうか。