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2014年11月06日|文学部ニュース
【日本文化学科】大学院生の学外実習の紹介─霊山寺へ行きました─

 

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人文科学研究科日本伝統文化専攻の大学院生は、自分の研究に打ちこみながら、文学部日本文化学科の授業でも、ティーチングアシスタントとして、学部生の教育活動を補助しています。特に、1年生全員が履修する体験型授業「学外実習」では、大学院生が専門知識を生かしながら、さまざまな形で力を発揮します。

そんな大学院生たちは、自身も日ごろから学外に出て、実践的な研究を行っています。今回は、11月3日(月)、杉崎貴英准教授の引率で、霊山寺(りょうせんじ)を見学したレポートをご紹介しましょう。

集合場所とした近鉄「富雄(とみお)」駅は、東生駒キャンパスからは歩いても行けるほどのご近所です。参加者はわずか2名でした(今回は、あまりに身近な場所だったからでしょうか?)。3連休の最終日、よく晴れた気持ちのよい天候のもとでの古寺拝観となりました。

観光客とともに奈良交通のバスにゆられて4つ目の停留所が「霊山寺前」。大きな駐車場やバラ園の案内がみえ、参道の入り口には温泉もあります。

いかにも現代的な顔で出迎えた霊山寺に、初めて訪れた大学院生ふたりとも驚きの声をあげます。そんな霊山寺の歴史の奥行きに分け入ってみようというのが、今回の見学の目的です。

まず、木立のなかにそびえる三重塔(重要文化財、南北朝時代)へ。毎年この日一日だけ、この塔の扉は開かれます。内部を埋めつくす、鮮やかな壁画、柱絵、扉絵・・・・・・。外からの拝観となりますが、ふたりの大学院生は、描かれた仏たちに目をこらし、細やかな描写に感嘆していました。

そのあと、近くに立つ石の標柱に気づいた大学院生が、「あ、ボダイセンナの墓だって!」と声をあげます。奈良時代、東大寺大仏の開眼供養の筆をとったインド僧の名前です。その菩提遷那の墓とされる石塔に、一同でおまいり。

最後に、本堂(国宝)に。粉末のお香で身体を清める密教の作法「塗香(ずこう)」をしてから、内部へ。まず入り口の近くに座って、鎌倉時代の密教建築の内部構成をみつめます。格子の向こうに見えてくる、秘仏の本尊、薬師三尊像(重要文化財)。中世の人びとのまなざしを追体験したあと、内陣でおこなわれている「秘仏宝物展」を、じっくり。

いちばん古い文化財はどれか?・・・・・・とくに多くの仏像がつくられたのは、いつ頃か?・・・・・・本堂や三重塔ができた時期と、仏像ができた時期との関係は?・・・・・・壇上にずらりとならぶ仏像群は、どのような段階をふんでつくられていったのか?・・・・・・現地で文化財をみつめながら、歴史をひもといてゆく手応えと楽しさ。見学ならではの醍醐味を、今回も実感できたようです。

拝観を終えて、本堂の前で記念撮影。キャンパスの近くに息づく古刹、霊山寺--そこに古代から重ねられてきた信仰のいとなみに、思わず合掌する大学院生でした。