おもしろ教授 02 | 経済学

蟹 雅代

KANI MASAYO

大学3年生のときに執筆した実証研究の論文が、学生懸賞論文で優秀賞を受賞したことをきっかけに研究者の道へ。応用計量経済学を専門とし、企業のイノベーションについてデータを用いて分析している。
気さくな性格で学生人気はナンバーワン!?

DATA|データ

職名
准教授
所属学部・学科
経済学部経済学科
専門分野
応用計量経済学
学位・資格
博士(経済学)

Profile|プロフィール

石川県金沢市生まれ。大学進学のため大阪に出てきて、学生時代を過ごしました。学生時代から現在に至るまで、企業のイノベーション活動について実証研究を行っています。大学卒業後は、東京にある知的財産研究所で1年間研究員として特許データを利用した研究に従事しました。2008年から本学で、統計学などデータ分析にかかわる授業を担当しています。

Specialized Fields

専門分野について

私の研究はイノベーションに係わる問題をデータ分析で明らかにすることです。企業に対するアンケート調査やさまざまなデータベースなどからデータを入手し、実証分析を行っています。
近年取り組んでいるテーマの一つは、オープンイノベーションです。オープンイノベーションとは、企業が社内の技術やアイディアだけでなく他の組織の技術やアイディアも取り込んで、新しい製品やサービスを生み出していくことです。企業同士や企業と大学のコラボ商品は意外と多いのです。アンケート調査で得たデータなどを利用して、オープンイノベーションに係わる問題・課題をデータ分析によって検証しています。

My Interests

専門分野の面白さ・研究の醍醐味

経済の諸問題では、しばしば「実証的な課題」という言葉が使われます。これは、理論的には相反する効果や複数の解釈が想定される問題で、現実的に妥当な解を探ろうというものです。データを用いた実証研究では、データ収集上の制約はありますが、そのような議論に対して結論を示すことができるのです。これが実証研究の醍醐味だと思います。例えば、消費刺激策として実施される定額給付金事業ですが、給付金を受け取ることで、果たして家計は追加的な消費を行うのか、単に必要な支出にまわるだけで消費は増えないのか。適切なデータに基づいて分析を行うことで、政策効果の評価も可能になるのです。

Tools

講義や研究で使う道具やツールについて

データ分析ではコンピュータを活用しています。皆さんが受ける授業ではEXCEL、研究では専門の統計ソフトを使います。
データ分析なので、データは必須です。学生時代は、冊子からデータを手打ちすることもありました。現在は、アンケートデータ、使用許可を受けた政府統計や商業データベースなどを利用しています。

※先生の私物

About Class

担当している学科の講義について

データ分析に関する講義(統計、エコノメトリックス)を担当しています。 例えば、テレビ番組で「所得の格差が広がっている」と聞くと、そのような気がするけれども、実際にどのくらいの差なのだろうか?このように新聞やニュースで目にするけれども、実際のところをよく知らないということは世の中に多くあります。このような場合、適切なデータを見ることで、事実を確認できたり、新しい発見があるものです。「データから情報を読み取る」、また「データを使って意見を述べる」という能力は、社会人に求められるスキルとも言えます。この能力を養うためには、データ分析に必要な統計的な概念を学ぶと同時に、実際に自分でデータ分析し、解釈してみることが重要です。私の授業では、講義とパソコン実習を組み合わせ、各自がデータを用いた実証分析を行っています。

Books

書籍、研究論文など

日本における研究開発の成果に関する実証分析2007年

研究開発の成果である技術知識は経済活動においてどのような役割を果たすのであろうか」という問題意識のもと、3 つの研究テーマ「研究開発スピルオーバー」、「特許制度」、「技術の陳腐化率」を実証分析している。

企業の競争戦略としての特許利用について2007年

企業の特許利用戦略のうち、技術的排他戦略がどのような要因の影響を受け、決定されるのか検証している。

Understanding the Technology Market for Patents: New Insights from a Licensing Survey of Japanese Firms2012年

企業のライセンスアウト活動がどのような要因によって影響を受けるのか、実証分析している。

Schedule

一日のスケジュール

Dream in School Days

学生の頃の夢

社会、経済、文化など世の中のさまざまなことに知りたいと思っていたので、高校生の時は新聞記者が夢でした。そのため、大学の学部選びでは経済学部を選びました。大学3年生のゼミで、初めてデータを使った実証研究を行い、論文を執筆しました。全く経験のないことだったので、わからないことだらけでしたが、自分でデータを集め、論文や教科書を読み、ゼミの先生の指導を受けて、何とか完成させることができました。
高校生の時はさまざまなことへの興味・関心から新聞記者を志しましたが、「知りたいことがあって最終的に結果を出す方法としてこういうやり方もあるのだなあ、面白いなあ」とこの時思いました。これが研究者を目指すきっかけだったように思います。

Photo Album

思い出の写真

学生懸賞論文で優秀賞を受賞したとき

My Objective

今現在の目標

統計は結構面白いと思うのですが、文系では「数学は苦手」という学生が多く、統計のような数字ばかり出てくる授業は敬遠されてしまいます。しかし、皆さんがこれから生きて行く上で、数字にだまされないために、「統計リテラシー」は是非身につけてほしいスキルです。そこで、授業での体験を通してデータに親しんでもらい、多くの学生に「面白いなあ、役に立つなあ」と思ってもらうことが目標です。

My Favorite

趣味やマイブーム

ランニングでしょうか。市街地を走ると、意外なところに名所旧跡があって面白いです。
また、普段、授業の準備や研究は机に向かって行いますが、走りながら考えるのは意外と良いです。思考が整理されますし、新しいアイディアが浮かぶこともあります。

Message

メッセージ

学生時代は、多くの人と出会い、楽しい時間を持ってほしいと思います。そのためにはサークルに入るのもいいですし、アルバイトをして社会を見てみるのもいいと思います。その中でさまざまな事柄について、自分で考え、周りの人と意見を交換してみて下さい。その経験は必ず皆さんの将来の糧になるでしょう。さらに、経済学的思考を学ぶことで、あなたの「考える力」は磨きがかかるでしょう。経済学部の新入生の多くは経済学を学んだことがありません。スタートラインは同じです。ともに学びましょう。