経済学アラカルト 12345678910111213
6. 円高・円安って?
帝塚山大学経済学部1年生の美鈴さん。
美鈴さんは帰宅して、お父さんと話しています。
美鈴
美鈴 お父さん、1ドル=100円が102円になると、どうして円安というの。前からよく分からなかったんだけど。
父 どこが分からないのかな。
美鈴 だって、100円から102円と数字が大きくなっているんだから、円高ということになるんじゃないの。
父 そうじゃないんだ。1ドル=100円というのは、1ドルを手に入れるために100円が必要ということだよな。だから、1ドル=100円から102円になるということは、1ドルを手に入れるのに100円でよかったものが、102円必要になるという訳だ。よりたくさんの円を出さないといけないのだから、円の価値が低くなっている。だから、円安というんだ。
美鈴 あぁ、そういうことなの。それなら、1ドル=100円が99円になることは、円高というのね。
父 そう。それに円高はドル安ってことでもある。
美鈴 なるほど。でも1円や2円の円安や円高って、そんなに大したことじゃないんでしょ。
父 とんでもない。例えばトヨタの北米にある子会社・関連会社全体の売上高は590億ドルもあるんだ。(注 2005年度実績)これを円に換算すると、1ドル=100円だと、5兆9千億円ということだが、1ドル=99円だと、5兆8,423億円ということになって、577億円も売上高が減少してしまうことになるぞ。1円の円高が577億円を消してしまうってことだ。
美鈴 そんな大きな金額をいわれても、ピンとこないなあ。
父 毎日100万円ずつためて、どれだけの期間がかかるか計算できるかな。
美鈴 えーと、100万で割って、5万7700日でしょ。そして、365日で割って…。えっ?158年!? たった1円でも、ばかにできないのねぇ。
米ドル、英ポンドなど外国通貨が取り引きされる場を外国為替市場といいます。その市場で決まるドルやポンドと円との交換比率が為替レートと呼ばれるものです。為替レートは、こうしている今も刻一刻と変化しているのですが、それは、ドルやポンドと円との需要と供給で決まってきているのです。また、景気動向や各国中央銀行の金融政策、場合によっては政治状況などによっても、為替レートは影響されます。「マクロ経済学」や「金融論」では為替レートの基本的なことを、また、「国際金融論」や「国際経済学」では、より詳しい内容を学びます。